散らかった部屋の中

整理の付かない言葉たちの寝床

ちっぽけな朝の話

朝、出勤の準備で時間が無い。そんな中、洗濯、ペットの世話、ごみをまとめてゴミ出し… 。どれもなるべく効率良くこなしたい。それだけにつまらないことが非常に腹立たしい。一番はカミさんと娘の服が、大概半分裏返しになっていること。

 

半分、というところがミソだ。

 

いっそ完全に裏返しになっていればそのまま吊るすのに、なまじ片袖(あるいは片足)だけ内に入ってたり、靴下が丸まってたりとか。そういう状態だと干すのにいちいち直さないとならない。濡れた状態ではやりにくいので洗う前に直しておきもするが、時間を取られることには変わりなく、その一手間がとにかく面倒なのだ。何度文句を言っても謝るだけで一向に改まらないが、これは何かの主義なのか。

 

洗濯槽の中で回転したからそうなった、とも考えられなくはない。でもこれは服の脱ぎ方の問題だと思うのだ。何故ならタイツ。

 

靴下を重ねて履いたんだな、という時は、裏返しになった爪先の中に靴下が入っている。ガードルと一体になってることなんてザラだ。洗濯中にそんなマジックが度々成功するものだろうか?

 

頭に来るから時々そのまま吊るして干してやるのだが、その珍妙な洗濯物を見ても文句を言わない。仕方がないと思うのか気にならないのか分からないけど、何の変化にも繋がらないのだ。ポケットに何か入っていた時、知っててそのまま洗って干してやってたこともある。

 

大抵ハンカチなのでポケットの中で湿ったままだったはずだが、やっぱり手応えは全く無かった。そしてある時フタを開けたら、洗濯物がティッシュの屑にまみれていた。

 

癪だが自分の抵抗には意味が無いんだと気が付いた。ひとまずポケットの中に何かが入ってる時だけは、諦めることにした。